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対話から生まれるもの

計画や設計において、クライアントとの対話から生まれるものを大切にしています。それは、対話を重ねる中でよいものが生まれることが少なくないからです。

写真は前職で設計を担当した「昭和町の家1」の和室です。この和室は、設計段階では床柱のあるオーソドックスな床の間のある和室でした。しかし、工事が進むにつれ建物の全体的なイメージも含め検討しなおすことになりました。設計者とクライアントのみならず施工者も交えて議論を重ねる中で、どんどんシンプルな形が模索されました。そして、たどり着いたのは床柱の無い簡素な設えです。通常床板と呼ばれる床部分は1枚ものの大判タイルを選びました。この形にたどり着いたとき、関わった人みんなで正解にたどり着いた感じがしました。そんなに広くない和室ですが、床の間のシンプルさにより、地窓から庭の景色へと自然に意識が行き、面積以上の広がりを感じます。また、クライアントが生ける花や木が、広がりのある床の間でよく映えます。床板がタイルなので水が零れても安心です。

これは最後まで対話を重ねた事例ですが、少しでも時間をかけて議論を重ね模索することでしかたどり着けないものもあると思います。